タモリが売れてしばらく後、機会があって、札幌でジョイントをした。 夜中にホテルに帰り、去りがたくて、しばらく一緒の部屋にいた。 すると急に英語(のようなもの)で大演説を始めた。 ぼくは床に倒れて笑い転げた。 いい年をした男が深夜二人でやることではないと思うが、仕方ない。 あとで気がつくのだが、次の日タモリは昼間から東京でテレビの生本番があった。 一番の飛行機に乗らねばならなかったのだ。 「いい加減寝かせてくれよ」と言っていたのに違いない。 笑い転げているだけの鈍感なぼくを見降ろしながら、 タモリは際限なく「英語」を喋り続けていた。
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こういう人が、プライベートな時間をどうしているのかいつも気になる。 そういう時には一体、何の真似をしているのだろう。
★ピアノ弾き乱入元年/山下洋輔★
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