ただし、私とて渡さんのライブを全く観たことがないわけじゃなくて、 その素晴らしさも恐ろしさも重々知っているつもりだった。 あるときには笑わせ泣かせて本当に一生忘れられない体験を与えてくれることもある。 しかし、がっつり飲酒した状態で相当にでろんでろんで、 話もおぼつかなければギターも満足に弾けない、 という凄まじい生き様を見せつけられることもある。 勿論、その両刃の剣ぶりこそが渡さんであり、 ロシアン・ルーレットみたいにどっちにあたるか判らないのも一興でもある。 とはいえ、録音物をリスナーに届けるのが第一義ですから、 「うへえ、べろんべろんだぁ。面白れえなあ」と喜ぶ一方でもいられないわけで。 そこで思い出したのが、渡さんのライブって、共演プレイヤーの人数が 少ないとき、それも息子さんの漣さんと一緒のときの打率が、 実に高いことだった。
★「高田渡 高田漣 27/03/03」解説/佐藤英孝★
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