西原「戦争体験は漫画に影響しましたか?」 やなせ「それはすごい、作品づくりの中でありますよ。 一番大きいのは『正義というのは信じ難い』ということ」 「それともうひとつ。人生で一番、何がつらいか。 『食べられない』っていうことなんだよね。 『正義の味方』だったらまず、食べさせること。飢えを助ける」
やなせ「『上京ものがたり』なんて、絵より文章が多いからねえ(笑)。 でも、僕はあの作品が特に好きだ」
やなせ「生きていくっていうのは、満員電車に乗るようなものでね。 その中で自分の席を見つけるということなんですよ。 満員でも、まず無理やり乗っちゃうこと。 そして、降りたらダメ。 乗ってさえいれば、貧乏でも何でも、必ず糧になる。 ミニスカパブも、夫と別れるのもね(笑)。 僕は漫画はずーーと売れなくてね。 『アンパンマン』も50歳過ぎてからですから。 それでもずっと書いていました。 家に閉じこもって、何の目的もなく書いていた」
★毎日かあさん/西原理恵子×やなせたかし★
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