文学も美術も思想も数式も生物も時間も、美しければ全て正解。 内容なんて必要ないのです。 内面の美しささえあれば外見なんて構わない、という正論の何と傲慢なことよ。 僕は自分の内面なんてとてもじゃないけどさらけだせない。 こんなに混沌とした醜悪なものをどうして人に見せられましょうか。 きっと相手は不快になるばかり。 僕の表面だけを見てくれとおっしゃったのはウォーホル先生。 そう、表層なら努力すれば取り繕える。 こうありたいと思うものに近づける。切なる願望の結晶こそが表面なのです。
きっと美の中に存在する切なさとは、醜悪な現実をひた隠しにして 自分の存在の理想を求めている羞恥心と不安です(嘘と同じ構成要素ですね)。
★愛と洗顔/嶽本野ばら★
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