宿題

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2005年12月23日(金) ふたりのロッテ/ケストナー
パルフィー氏は、しばらくドアを見つめていたのち、
ベーゼンドルファーのピアノの方に歩いてゆき、自作の子どものオペラの譜をめくり、
その一枚を抜き出して、キーの前にこしかけます。しばらく譜を見てひきます。
古い教会旋法の一つで、厳格で簡素な典則曲です。
それから、調子を変えます。中世期の協会旋法からハ短調へ。
ハ短調から変ホ長調へ。ゆっくりと、まったくゆっくりと、
パラフレーズの中から新しいメロディーが、からを破って出てきます。
単純で、心を奪うメロディーです。
ふたりの小さい少女が、澄んだ清い声でうたってでもいるように。
夏の草はらの上で。青い空をうつしている涼しい山間の湖のほとりで。
──それはどんな分別よりも高い空です。
その太陽は、善人だろうと悪人だろうと、煮えきらない人だろうと区別せずに、
万物をあたため照らすのです。


★ふたりのロッテ/ケストナー★

マリ |MAIL






















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