同じ品物があふれかえってしまった後、 それでもお金の塊を大きくするために、灰色が最初にしたことは、 品物は変えずに、品物がつくられる仕組みを変えることでした。
灰色は、品物がつくられる仕組みを変えて、 工場を「豊かな」国々から「貧しい」国々へうつしました。 そのために、「豊かな」国々の若者たちのための、 きちんとした働き先は、すっかりなくなってしまいました。
そうやって灰色の計画のために、「豊かな」国々から働き先がなくなったのに、 灰色は、話をさかさまにして、「若者たちがなまけている」といって、 責任を若者たちになすりつけることにしました。
夕方のニュースから、「なまけている若者」というイメージが、 たっぷり流されはじめました。 憶えやすい流行語がつくり出されて、人びとはどんどん、 本当に若者たちがなまけているような気になっていきました。
★うさぎ!/小沢健二★
|