運よく音羽で拾われた。 あれからもう8ヶ月が経っていた。 充電期間などと言うと聞こえはいいが、 劣化したバッテリーは、いくら充電しても、わずかしか電気が貯まらない。 ポンコツ漫画ロボットはすでにバッテリー残量がありませんでした。 8ヶ月間。 その間の記憶がほとんど無い。 記憶が無いというより、他人に語るほどの思い出が無いんです。 何一つ。 冬に着ていたコートのポケットに謎のメモが入っていた。 「B−2パンダ」。 何の事だったのか、いくら考えても思い出せない。 後日、気付く。駐車場だと。 停めた場所を忘れないようにメモっていたのだ。 なんだか死にたくなった。 そしてまた別のジャケットから謎のメモが。 「木の棒7センチ、三日までに…」もう無理に思い出すまい。
★さよなら絶望先生/久米田康治★
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