『ドラえもん』というのは、僕が今まで描いてきた漫画の一つの帰結点だと思っているんです。 まず原体験としては、子どもの頃読んだいろいろな不思議話、 それに『グリム童話』『アラビアンナイト』『西遊記』。 そして大きくなってから読んだ海野十三の科学冒険小説など。 それから、漫画という表現形式の可能性に目を開かせてもらったという意味での手塚先生の作品。 もうひとつ、子どもの頃から本棚にあって読んでいた分厚い『落語全集』。 これらのものが僕の漫画の中に残っていて、 そのひとつの形が『ドラえもん』になったのだと思っているんです。
★作者の言葉/藤子F不二雄★
|