あのぉ、ま、恥ずかしいんじゃないのかな、どっかでアイロニーに言わないと。 その分、パワーが弱まるところってあるんですけどね。 でも、僕たちは「ホンマにコレがサイコーや!」って信じられるタイプじゃないから。
結局アイロニーでごまかしていくとこってあるんですよね、 「所詮はオジサンだ。テリーファンキーズだ」ってね(笑)。 三人の中でも、教授がその意識に一番強く反感持ってるでしょうね。 それは多分、彼のピュアーなところだと思うんだけど、 割り切ろうとしてるのね、一生懸命。 で、見てると、時たま目が痛いほどそれを感じる時もあるし、 逆に、時たま気持ちいいほど割りきれてる時もあるんですね。 僕なんか屈折人間の固まりだから(笑)、全然平気なんですけど…でも、 どっかにわだかまりはあると思いますね。 ハハ。胃カイヨウは、もっとあたりまえの、プライベートなところからきてるの。 あの、肉体的な恐怖はと言うと、僕、20歳くらいで対人関係から 症状が身体に出て病気になって…。 細野さんは、もう完全に神経病ですね。 ま、そういうやっかいな若者だったから、今でもきっとどこかに残ってるでしょうね。 ひょっとするとこのまま死んじゃうんじゃないかしら、って、 それは死ぬのがコワいって意識とは違うんですけどね。 割とどこかでバランスとろうとしているかもしれないけど。 でも、やっぱりいざとなると「オジサン」は死ぬわけにはいかない!(笑)。
★宝島6月号(1983)/高橋幸宏★
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