当時、未来論は食傷気味だったので、21世紀の、ということで書いたんです。
あの頃は未来論がいっぱい出ていて、
実際こんな感じの企画がたくさんあったんですよ。
取材のテーマも”明るい未来像”というものばかりで、
その都度”SFで明るい未来を描いたものはひとつもないのに、
そうしたことをなんでSF作家にばかりきくのか、
彼らは本当にSFを読んだことがあるのか?”とは思ってました。
そのうち、みんな怒っちゃって”未来は過去のものだ”なんて
言い出す人も出てきましてね。
ですから、新聞や雑誌の新年号で、明るい未来を書いてくという依頼があっても
断るようにしていましたよ。
★『21世紀こどもの歌』回想/筒井康隆★
|