映画を撮るのは自分と似た人のためだ。
知らない人に手紙を書いたりはしないよね。
自分の映画が、贈り物、会ったことはなくても、
当然、自分と同じ意見を持つ誰かへの贈り物になればいい。
私にとって、幸福とは、誰かが私が思いついたのと同じ発想を口にすることだ。
映画を見て、本を読んで、「嬉しいな、自分と同じ考えだ!」と思うよね。
それは、自分が白痴じゃないということ、それにとりわけ自分が一人きりじゃないことを意味する。
でも、ある贈り物が受取人に届けられるには、残念ながら、
商人たちの手から手へと手渡されなけばならない。そう思うと嫌になる。
私の観察するところ、至るところで、次第に、人々の関係がますます冷たくなり、
「君が私に売ることができるもの、私が君に売ることができるもの」
が決定するようになってきている。
たとえば、パリは五階建て、六階建ての都市だ。
一階はどこも商売人が占拠しているし、その連中はどこかの階に住んでいる。
そうやって、何も作らず、何も生み出さない人々に二つの階を完全に占拠させている。
嘆かわしいよ!
★素敵な歌と舟はゆく◇HPのインタビューから/オタール・イオセリアーニ★
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