いちお高校出てすぐ東京で就職したんですよ。でも3年くらいで嫌になっちゃったんですよ。
ちゃんとした会社に勤めてて、自分の将来とかも考えずに流されるように就職しちゃったから、
これでいいのかーって思い始めたら「やめちゃえ」みたいな、ね。
20歳になってすぐくらいかな…。
◇
たまたまあるコンサートがあって…。ジェイムス・テイラーっていう人の…。ずっと聞いてたんですけどね。
田舎に帰って本を見てたら、東京の公演は終わっていて、仙台と札幌の公演だけが残ってたんですよ。
その時の曲のこととかも全然覚えてないんだけど、どうやって札幌に来たのかも…。
◇
で、何となく札幌に住むようになって、何もあてもなく来たんですけど、ほとんど一文無し状態で。
あ、ラジオ一つ持ってたかな?あと布団くらいしか持ってなかった。
でもすぐコーヒー屋さんのアルバイトがあって…。
たまたまですね。自分から望んで行ったわけでも何でもなく、
求人があって、友人が教えてくれたんです。
それからもう、ずーとですよ。
10年くらいかな。
◇
ボイルするコーヒーよりもドリップするコーヒーの方がおいしいんじゃないかと思い始めて、
むりやりサイフォンはやめようと、僕らが言い出したんです。
サイフォンなんて、すぐ割れるし、部品は高いし。年中怪我してました、あれ、洗ってて、割って。
それで、もうやめよう、やめようって。
◇
30歳になったときには、僕自身の将来を考えたときに、
このままここで働いていたらどうなるんだろうと思い始めてて、喫茶店の店員だしね。
焙煎やってようが、志がどうだろうが、こりゃ将来が危ういなと思い始めてね。
それで、僕は辞めますと…。何もあてはなかったんですけど。
まぁ、30歳だし、何とかなるかなー、と。
★summer store vol.06/斎藤智(斎藤珈琲)★
■見た目はすごく渋い感じっぽい人なのに(写真載ってた)、 行動はなんだかとてもパンク。
聞き手は堀内さん。
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