待たされて待たされて待たされてやっと出た『Eclectic』。
それにしても、どうして小沢健二をめぐる言説っていつも居心地が悪い感じがするのだろうか。
そう思うのはオレがオッサンだから?
何か腫れ物にさわるような緊張が伝染してくるのは
彼が同世代の宝物だから?
念を押しておくけど『Eclectic』が緊張を強いると言っているんじゃない。
『Eclectic』について書かれたいろいろを読むと居心地が悪い感じがするという話。
乗り込んだエレベーターに思いがけなく先客がいて、
目的の階に着くまで息をするのも憚られるようなあの感じ。
できるだけ視線を合わせないように、どこでもないどこかを眺めるしかない居心地の悪さ。
あれに似た感情がわき上がってくる。
大切すぎる対象だから?
でも、それが恋愛って場面なら「その優しさが重荷」って言われちゃいそうだなって思うのは、
オレがオッサンだから?
「じゃあオマエはどう思ったんだよ」っていうココロのツッコミにそろそろ答えないといけないんだけど、
頓珍漢なことしか言わないのでゴメン。
何しろ「天気読み」をいいと思ったのは『LIFE』が出てから。『球体の奏でる音楽』を愛聴し出したのは去年。
鈍いんだ。
オレ?『Eclectic』は「キミ」が「アナタ」や「オンナ」や「アノヒト」に変わろうとますます青臭い。
その青臭いとこが好き。
あとブラックミュージック云々とかあまり関係ないことって気がする。
というか、なんてドメスティックな音。日本人にしかわからないような、この感じ。
★オッサンもオザケンを聴くんです◇relax 63 fab!/小野郁夫★
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