(岩)最初は展覧会の中に自分がデザインした光を置いて、
その音を聞くっていう以上は考えてなかったんですけど、
実際出来たものを街の中に持っていったらある場所では
すごくかわいい音がしたり、ある場所ではすごくノイジーだったり、
すごく不思議な音がしたんですよ。それで作品自体の規模も広がって。
(緒)ある光がある特定の音を出すというのは誰が決めているんですか?
(岩)たまたまっていうか、例えば、電光掲示板の光をサウンドレンズを使って聞くと
すごく不思議な音するんですよ。
それは電光掲示板の設計者が知らず知らずにやっていた事なんです。
彼らは音で聞いた事がないから気付かなくって、でもああいう風に目に見えるように設計していた事が、
たまたまああいう音を生み出していたんです。
僕が作ったサウンドレンズを使って聞くと、光が本来持っていた音が光の中から聞えてくるので、
技術者の人たち自身もびっくりするんです。
(岩)コンピューターは一切入ってない、すごくアナログなものなんです。
前もって僕が何か音を入れているとか、そういうことではなくて。
例えばコンピューターに詳しい人だと、こういう明るさの光が入ってきたらこういう音を出すとか、
プログラミングされてるんじゃないかって思う人が多いんです。
(緒)私もてっきりそうかと思ってました!
(岩)違うんですよ!
★サウンドレンズ◇spoon. No.9/緒川たまき+岩井俊雄★
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