あらゆる悲しみも原因を辿ればカップ1杯の紅茶が冷めてしまうことの、
あとはすべて応用と発展でしかないんじゃなかろうか。
世界はすっかり冷め続けるカップ1杯の紅茶のようなもので。
ミルクティーが冷めないように、僕は手をつなぐ。
そして手は指輪だけを手のひらに残して、消えてしまう。
毎日、自分の中でいちばんちいさな骨を折りながら
僕は自分をいつでも失うことが可能だと考えている。
熱を失った鳥はもう飛ばない。ちいさな墓守よ。
溜息のような落ち葉に埋もれた墓標の名は?
★深夜特急ヒンデンブルク号◇020206#Wednesday 可能性/シルチョフ・ムサボリスキー★
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