しかし、これを書いている現在のぼくには、もう腹立ちはない。
いや、あれはいい死に方だったと考えてはいけないだろうか、とさえ思うことがある。
あんな死に方があるものか、などとどうして赤の他人に思う権利があるか。
生まれ方同様、死に方だってまず当人の思い通りにはなるまい。
他人があれこれ評すべきものでもあるまい。事実は事実なのだ。
だったら「いい」と思えばいいではないか。
「ひどい」と思ったのでは、当人や家族はなおのこと無念ではないか。
そうだ、あれはいい死に方だったのだと、赤の他人のぼくは、先生が大好きだったぼくは、
そのように非論理的に考えることにする。
★青春デンデケデケデケ/芦原すなお★
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