アンデルセンの物語の終えかたはいつも、そっけないほどに非情だ。
「では、これらの物語を聞いたわたしたちは何といえばいいのです?」
「これでおしまい!といえばいいのです」。
わたしに詩のありかを最初におしえてくれたのは、アンデルセンである。
この世界はもうすっかり詩にうたいつくされてしまっている。
何をいった僕は詩にうたいこんだらいいんだ?
嘆く青年に、占いおばあさんはいう。
なんのなんの詩のない時代なものかね。
溝のふちにのぼるんじゃ。街の通りがみえるだろう。雑踏がみえるだろう。
まっすぐゆきなさい!詩はそこにある。
★詩人であること/長田弘★
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