王子さまは、こんな話をしあっているうちに、キツネと仲良しになりました。
だけれど、王子さまが、わかれていく時刻が近づくと、キツネがいいました。
「ああ!・・・・・・きっと、おれ、ないちゃうよ」
「そりゃ、きみのせいだよ。ぼくはきみにちっともわるいことをしようとは思わなかった。
だけどきみは、ぼくに仲良くしてもらいたがったんだ・・・・・・」
「そりゃ、そうだ」
とキツネがいいました。
「でも、きみは、ないちゃうんだろ!」
と王子さまがいいました。
「じゃ、なんにもいいことはないじゃないか」
「いや、ある。麦ばたけの色が、あるからね」
★星の王子さま/サン・テグジュペリ★
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