猫には猫だけが行ける場所がある
われわれには通り抜けることのできない狭いところをくぐり抜けて、
猫はあっち側の世界に行けるってことだ
時間とか空間とか関係なくどこでも
「夜に猫が身をひそめるところ」ってどこだろう?と考えたとき
猫はやっぱり人と付かず離れずの、ちょうどいいところに身を置くんじゃないかな
「猫だけの世界」に行ってしまうんじゃなく、ちょっとだけ人とつながっている場所――
それはきっと路地裏のような場所であって、何か晴れがましいことが行なわれている、
そのうしろの隅のところ。そこにもやっぱり人が居て、そのまた隅の方にささやかなひだまりがある
★THINK 夜に猫が身をひそめるところ/吉田 音★
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