宿題

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2001年11月02日(金) 秒針音楽師/クラフト・エヴィング商曾
ある詩人の先生が、わたしの作った曲を聴いて、「あなたは秒針音楽師ですね」と

名付けてくださって、それはそれで気に入っているんですが、でもやっぱり、わたしは

「小さな音楽をつくるものです」とつけ加えたくなります。


そうです・・・「小さな」というのは、まずひとつに、楽曲そのものがとても短いんです。

「秒針音楽師」というくらいですから、一曲の長さを計るのに本当に「秒針」だけあればいいんです。

長針も短針もいりません。一分を越える曲というのが、ほとんどないんです。

どの曲も数十秒・・・でなければ数秒で終わります。


いえ、長さが「短い」「小さい」ということだけでなくて、なんというのでしょう・・・テーマ?

というのも大げさなんですが、何かそういうものからして小さいんです。わたしの曲は。


たとえばですか?

ええと・・・たとえば・・・「一枚の落ち葉のための音楽」というようなことでしょうか・・・。

「一本の煙草のための音楽」というのもつくったことがあります。

あとはそうですね・・・ジグソーパズルのひとかけら。

そう・・・「針の穴をくぐり抜けるためのソナタ」なんていうのもあります。


短い曲ですけど、一曲つくるのに、ひと月くらいかかるときもあります。

ときどき、つい思い入れが過ぎて、どんどん大きな曲になってしまうんですが、
それではだめなんです。


とにかく、なるべく、さっとつくり上げてしまうことが大事です。

そして、それをすぐに「楽譜」にするんですが、もちろん、楽譜も小さいです。

掌に収まるくらいの大きさ。胸のポケットにはいるくらいの。そういうハンカチみたいな楽譜です。


・・・ええ、もちろん、小さな音で演奏されます。ほとんど聞きとれないくらいに小さな音です。

それで、あっという間に終わってしまいますから、わたしの曲を聴いた人は

「えっ?いま音楽が流れたの?」って必ずそう言いますね。


★『秒針音楽師』じつは、わたくしこういうものです◇太陽 NO.472/クラフト・エヴィング商曾★

マリ |MAIL






















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