ふと、自分がなんにもしなくなったらどうなるんだろう、という気がしました。
「たぶん、いまとちっともかわりやしないさ。ほかのやつがまた、だれかせわをやきはじめるだけさ。」
そうひとりごとをいって、ヘムレンさんは、歯ブラシをコップの中にもどしました。
と、いま、自分のつぶやいたことに、自分で気がついてぎょっとしました。
どうしてぼくって、こんなことを口に出しちまうんだろう。
考えてはいけないことだってあるんだ。根ほり葉ほり、ほじくって考えるのは、いけないことなんだ。
★ヘムレンさんは自分がきらい◇ムーミン谷の11月/トーベ・ヤンソン★
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