宿題
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2001年08月02日(木)
天候と思想/萩原朔太郎
書生は陰気な寝台から 家畜のやうに這ひあがつた
書生は羽織をひつかけ かれの見る自然へ出かけ突進した。
自然は明るく小奇麗でせいせいとして そのうへにも匂ひがあつた
森にも 辻にも 売店にも どこにも青空がひるがへりて美麗であつた
そんな軽快な天気に 美麗な自働車が 娘等がはしり廻つた。
わたくし思ふに 思想はなほ天候のやうなものであるか
書生は書物を日向にして ながく幸福のにほいを嗅いだ。
★天候と思想/萩原朔太郎★
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