人は分ける。上と下。右と左。陰と陽。善と悪。とにかく分けたがる。自分自身さえも分けてしまう。
不良か優等生か。運動神経がいいか悪いか。人間嫌いか社交家か。
完全にどちらかである人なんて絶対にいなくて、僕らは混然とした存在なのに、
混然を受け入れるってのは難しいから、面倒くさがりの脳は、あるいは機能は
それ自体をあるがままに受け入れないで、白黒つけてゆく。
そうすると物事は、すごく簡単になるから。ボケとツッコミ。
光は全ての色を含んで未分化。無色の混沌。それはそれのみとして、分けられずにあるもの。
切り分けられていない、混然とした、美しく大きな力。それが人の心の中にある。
僕らの体はかつて星の一部だったと言う。
それが結合して、体が在って、その心が通じ合ったりするのは、あまりにも驚異的で、
奇跡で、美しい。
★無色の混沌/オリーブ連載「ドゥーワチャライク!」より◇小沢健二★
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