時々バスは大回り たくさんの人を乗っけるために
そんな時ぼくは外を見ながら とっても素敵なことを思いつく
世界の言葉が音符だったら
こんなに苦労することはないだろう
なにしろ翻訳は良ければ良い程 元の作品から離れていく(多分ね)
世界の言葉が音符だったら
こんなに大変なことはないだろう
色々おまじないをやらなくても 心の池にとびこめる
世界の言葉が音符だったら
友情だって見つかるかも
特に言葉の通じない外国で 喋りたくてもだまっていなくちゃならない時
そりゃ もちろん音符だから 受け取り方だってまちまちさ
だけど決まりがないってことで もっと自由になるものがあるかもね
通りにあるお店に入ったら 聞き慣れない音楽がかかってた
何世紀も前の音楽なのに たった今語りかけられてるみたいなんだ
ぼくの好きな詩の本には みんな音符が書かれてる
もちろんそれは目に見えないし 口ずさまないと聞こえないけど
金曜の午後 バスに乗りながら ぼくはこんなことを思っていた
少なくともぼくは音符という 世界中で通じる言葉を知っていると
★世界の言葉が音符だったら/友部正人★
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