○プラシーヴォ○
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2001年09月23日(日) 告白合戦

高速道路に乗ると、風が強すぎて息苦しくなった。
仕方なく全開だった窓を閉める。

ラジオは流れているものの、ハム男も私も口を開かない。
沈黙が重くて、また窓を開けようかと悩む。
風の音でも無いよりマシ。

「がちゃ子…怒ってるの?」

怒ってるわよ。
心が狭くて狭くて狭すぎる自分に。

連休にハム男が1日も遊んでくれないというだけで
こんなに腹が立つ自分に。

「明日…昼から夕方まで姉ちゃん達を大阪観光に連れていく。
その後空港に送ってくる」

…分かってるってば

ハム男の家について、私はすぐに浴槽を洗った。
そしてお湯をなみなみと入れる。
肩までつかってお湯を溢れさせたところで、
ハム男が入ってきた。

目が合うと、ニコニコしながら体をこすっている。

『なんかイヤになっちゃったの。
 でも、今まで楽しかった。
 さようなら、ハム男』

昨晩、腹が立って腹が立って頭が爆発しそうになって
わけがわからなくなってハム男に送ってしまったメール。

見てないのかな?
どうして何も言わないの。

ビールをしこたま(350ミリリットル缶を5本)飲んで
意識を失いそうになりながらベッドに沈みこむ。

ハム男が横に寄り添って私を抱きしめる。
「つらいよ。がちゃ子。
言いたいことを言わないがちゃ子を見てるのがつらい」

言えないよ。
陳腐だもん。すごくすごくつまらないことだもん。
「言ってごらん。がちゃ子」

1歩も引かずに、先を促すハム男に根負けして
ついに私は口を開く。
いつのまにか泣いている私。
しゃくりあげすぎて声がうまく出ない。

「…どうして私と連休を過ごしてくれないの
お姉ちゃんの方が大事なの?」

 姉と普通に話せるようになったのは
 最近のことなんだ。

 昔はがちゃ子のように言いたいことを言わない人だったから。
 俺が今年のお盆に実家に帰ったころから
 なんとなくいい雰囲気になってきた。
 
 お互い、大人になったからかな

 せっかく姉の態度が柔らかくなってきたから
 なるべくそれを持続させたいんだ

 体を壊して透析して、
 それでも看護婦を続けてる実家の母の面倒を見れるのは
 そばにいる姉だけだから。
 
 姉と、俺の後輩が遊びに来てるんだよ?
 がちゃ子とはいつでも会えるだろう?
 (首を横に振る私)
 …どうしてそう思うの?
 メールで別れたいみたいなことを言うなんて
 もうしちゃだめだよ。
 
 俺がどれだけ がちゃ子を好きなのか
 いつになったら分かるの。

体をぶるぶる震わせて息もできなくらい
しゃくりあげて泣く私を、ハム男はぎうぎうと抱きしめる。

私もそうだけど
ハム男もようやく
言いたいことが言えたんじゃないかな。

これからどうしたらいいんだろうね。私達。


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