遠距離M女ですが、何か?
井原りり



 心中&道行

『Dolls』

管野美穂と名前知らない俳優がとぼとぼとぼとぼ二人で歩く、紐でつながれて一緒にとぼとぼとぼとぼと歩く。

着ている衣装がY's@ヨージヤマモトだから、もう、わけわかんねーわけ。

金なんか一銭もないんだから、なんであんなに頻繁にお衣装がくるくる変わるのかね? って思うけど、思っちゃいけねーな。

季節変わっても、場所変わっても、ひたすら歩く。
歩き続ける。


たけしはまずストーリーなんかより、こういうシーンを撮りたいっていう欲望が先行するんだろうな。


一番客が入らなかった『ソナチネ』。
あたしはこれを、まだ町に10軒以上も映画館があったころに、その中でも一番キャパの小さい小屋で見た。

沖縄の砂浜で来る日も来る日も、シノギ場所も奪われて、暇でヒマで仕方がないやくざもんたちが相撲をとって過ごす。

ヤマなし、オチなし、イミもなしってことでいえば、これこそが「やおい」かもしれない、北野武の映画。


それはさておき浄瑠璃の『曽根崎心中』を見たんです。

で、自分が勘違いしてたかもしれないんだけど、篠田監督、岩下志麻主演、相手役宇崎竜童のモノクロ映画は『女殺し油地獄』だったのか?

調べればわかることをここに書いてすみません。

岩下志麻が宇崎の嫁とオンナの二役をやるんだけど、これが可愛いんだなあ。

心中への道行きも、びゅーびゅー風が吹いてて、日本のヌーヴェルヴァーグといわれた篠田の真骨頂だと、思う。
『津軽じょんがら節』もね。一緒に見るべし、だ。


いはらの推薦で藤井隆の『ロミオ道行』も聴いてるし……。


ゆくへも知らぬ恋の道行きっていうのは、いつの時代もいいやねえ。





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2002年11月03日(日)
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