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2008年09月20日(土) 農水相 は 『 呪われたポスト 』 か



「 穀物を残して、農民たちを輸出したほうがよさそうだ 」

            ロナルド・レーガン ( アメリカ合衆国第40代大統領 )

I think we should keep the grain and export the farmers.

                                 Ronald Reagan



農家の危機に際して、こんな失言を吐き、彼は全米の顰蹙を買った。

どこの国でも、農政は難しいようである。


内閣総理大臣は、日本国憲法第68条の規定に基づき、随時、国務大臣を任意に 「 罷免 」 することができる。

日本国憲法下における閣僚の 「 罷免例 」 は、過去に 4例 あるけれども、そのうちの 3例 は、農相である。

一人目は 1947年の 平野 力三 で、理由は 「 米価問題と GHQ の意向 」、二人目は 1953年の 広川 弘禅、理由は 「 首相懲罰動議採決欠席 」 だ。

三人目は、記憶に新しい 2005年の 島村 宣伸 で、理由は、郵政民営化に反対しての 「 衆議院解散決定への署名拒否 」 によるものだった。

なぜか、農林水産大臣に就任した政治家は様々な問題に直面し、任期まで務まらないケースが多く、永田町では 『 呪われたポスト 』 と呼ばれている。


1978年の 7月、「 農林省 」 は名前を 「 農林水産省 」 に変えたが、初代の大臣に就任した 中川 一郎 は、12月に退任し、翌年の1月に 自殺 した。

その後、現在まで 40人 の政治家が農相に就いたが、重要な閣僚の一つでありながら、首相の座を得たのは 3人 ( 羽田、宮沢、小泉 ) だけである。

安倍 内閣 では、最初に就任した 松岡 利勝 が 「 ナントカ還元水 」 などの意味不明な答弁の後、在任中に自殺という前代未聞の不祥事を起こした。

その後、若林 正俊 の臨時代理を経た後任 赤木 徳彦 は、事務所費問題で “ 参院選惨敗 ” の張本人となり、たった二ヶ月で更迭される。

再び 若林 の臨時代理を経て、遠藤 武彦 が就任するも、「 置賜農業共済組合掛金不正受給問題 」 などを追及され、わずか8日で辞任した。


またも 若林 ( 3か月余りの間で3度目の農相就任 ) を経て、今年 8月には 太田 誠一 が就任したけれども、事故米問題の責任から、本日辞任した。

とりあえず、町村 信孝 官房長官 が臨時に兼任しているが、解散総選挙も近いので、すぐに後任を指名するか、現時点では明らかにされていない。

自殺、不正、失言、『 呪われたポスト 』 に就く者は、愚かな宿命を背負っているのか、それとも、愚か者を選ぶ風習があるのか、単なる偶然か。

いづれにせよ、国民の 「 食の安全 」 を重視するなら、もう少し、農水相に マトモ な人材を当てはめないと、先行きが思いやられる。

福田 首相 は、在任した実績を残すために 「 消費者庁 」 の新設を急いでいるが、それよりも、農水相の “ 呪い ” を解くほうが先決問題だろう。






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