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2008年09月09日(火) 相撲 : 外国人力士の躾 ( しつけ )



「 スーパーマンに、シートベルトは必要ない 」

                         モハメド・アリ ( プロ・ボクサー )

Superman don't need seat belt.

                                 Muhammad Ali



絶頂期の アリ は、実に傲慢で、不遜な態度をとる場面が目立った。

彼自身、後年になって 「 若気の至り 」 と後悔する言動も多かったという。


冒頭の言葉は、連勝街道を走る彼が飛行機に乗ったとき、客室乗務員から 「 シートベルトを締めるように 」 と注意され、思わず口をついた台詞だ。

若くして成功し、栄光を掴むと、なんだか偉くなった気がして、他人を見下したり、規定のルールに従わなくても許されるような気分に陥りやすい。

本当は、何かの分野で名を成し、関心を集めるほど、改めて襟を正して 「 模範的な人格 」 を示すべきなのだが、大部分の者は、過ちを犯す。

有頂天になるのも無理はないが、けして天狗にならず、周囲にも気を配り、常に “ 自分の取るべき態度 ” を冷静に見つめる余裕があると望ましい。

それを困難にしているのは、成功した途端にチヤホヤし、多少の脱線には目を瞑り、的確な注意や指導を行わない “ 周囲 ” の責任が大きい。


そんな彼が、この 「 シートベルト騒動 」 を後年まで印象深く覚えていたのは、注意を拒絶した彼に、同じ客室乗務員が言い返した一言による。

客室乗務員は、「 スーパーマンに、シートベルトは必要ない 」 と言い放った彼に対し、「 スーパーマンは、飛行機も必要ありませんよ 」 と答えた。

さすがの アリ も、これには絶句して、自分は “ 身の程知らず ” で、社会の規律を無視した横暴な振る舞いを行っていたと、そこで気付いたという。

この “ 身の程を知る ” という姿勢は、社会の一員として立派に評価され、他人から一目置かれる上で、誰にでも必要不可欠な要素である。

不遜な態度を改めず、王様気分に浸り、独善的な言動を続けている間は、マトモな成人として認められ難いので、なるべく早く、身の程を知るとよい。


最近の角界は、「 力士死亡事件 」、横綱 朝青龍 の 「 サッカー騒動 」 など不祥事が噴出し、北の湖 理事長 は、その監督責任が問われ続けていた。

それでも、まさに 「 土俵際の粘り腰 」 をみせ、相撲協会のトップに居座り続けたが、今回、力士による大麻使用の実態が露呈し、辞任を決めた。

特に、陽性反応が出た力士の一人である 白露山 が 北の湖部屋 の所属であったことから、彼自身の弟子に対する指導、監督責任は大きい。

過去、不祥事が起こる度に、一貫して 「 師弟の問題 」、「 部屋の問題 」 と彼自身が語ってきたので、自身の発言から逃れることもできなかった。

今後、新しく就任した 武蔵川 理事長 のもと、相撲界は新しい船出を迎えるが、しばらくは世間から、厳しい視線を向けられることになるだろう。


いわゆる 「 外国人力士 」 が増えたことで、相撲界特有の伝統的文化や、神事としての作法、儀式的な価値などが損なわれてきた。

それは、けして外国人に対する偏見ではなく、現代の日本人にも完璧には理解し難い 「 複雑な格式 」 が、相撲界には存在することに依る。

また、伝統と格式を重んじるわりに、若くして昇格した力士の行儀作法や、躾 ( しつけ ) に対して寛容すぎる矛盾も、相撲界の悪しき慣習だ。

上位入幕者ほど、立ち居振る舞いに留意し、襟を正して “ 身の程を知る ” という指導、教育を、生い立ちの異なる外国人にも徹底すべきであろう。

それが出来ないなら、態度の悪い 「 不良外国人 」 を量産するだけの組織にもなりかねないわけで、外国人力士の参入は禁止したほうがよい。






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