Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2007年09月22日(土) 福田 氏、麻生 氏、不気味なのはどちらだ



「 年寄りは、健康食品など食べるべきでない。

  むしろ、手に入る限りの保存料を摂取すべきである 」

               ロバート・オーベン ( アメリカのギャグ・ライター )

Old people shouldn't eat health foods.
They need all the preservatives they can get.

                                  Robert Orben



ロバート・オーベン は、世界でも珍しい プロ の ギャグ・ライター である。

冗談の苦手な有名人、政治家などに、ギャグ を作って売る仕事だ。


よほど深刻な場面を除くと、総体的に欧米人はアジア人などに比べ、会話の途中に軽妙な冗談を挟むことが多い事実は、広く知られている。

これは、「 陽気な民族性 」 というより、「 相手をいい気分にさせようとする願望 」 など、彼らの意識的な努力によるところが大きい。

アメリカの大統領が記者会見を開き、その日の主張を 「 マスコミで好意的に取り上げてもらいたい 」 ときなどは、とっておきのジョークを披露する。

それは、本題に入る前の僅かな時間に行われ、報道番組などでは時間の都合でカットされることが多いため、視聴者の目に触れることは少ない。

しかし、その冗談の出来、不出来によっては、会場の雰囲気が和らいだり、しらけたりするため、同じ発表でも記者の文体に影響を与えることが多い。


いわば、日常会話における ジョーク は 「 手土産 」 みたいなもので、必ずしも必要ではないが、それなしでは 「 手ぶらで訪問する 」 ような感じだ。

日本人のように、「 御中元 」、「 御歳暮 」 に気を遣わないけれど、彼らは普段から、面白い ジョーク や、気の利いた会話をする工夫に励んでいる。

当然、ジョーク としては面白くないと成立しないし、時と場所を選ばないと、「 ユーモア 」 と 「 悪ふざけ 」 は紙一重なので、マイナスに作用する。

日本でも最近、他人の悪口をネタにする コメディアン が台頭してきたが、悪口の対象への愛情が感じ取れなければ、嫌気を示されることもある。

たかが冗談といえども、時にそれは 「 もてなし 」 であり、「 ギフト 」 であり、「 円滑油 」 であり、「 マナー 」 であるというのが、欧米人の常識だ。


一昔前、長期の海外赴任から帰国した同僚に 「 どうだった 」 と尋ねたら、「 英語が得意なおかげで、現地では不自由しなかった 」 と彼は答えた。

事実、仕事も支障なく消化されているし、現地から トラブル の報告も入っていないし、同伴して現地に赴いた彼の家族も、彼の話によると元気そうだ。

その直後、今度は私が現地へ出張することになり、到着翌日の勤務を終えた後、彼の上司や同僚だった社員から 「 話がある 」 と食事に誘われた。

内容は、赴任していた 「 彼 」 の話ばかりで、彼自身は知らなかっただろうが、周囲は彼に 「 weirdo = 不気味な奴 」 という あだ名 をつけていた。

理由を尋ねると、マシンガン の如く彼を巡る逸話が飛び出したが、それは 「 悪口 」 とか 「 苦情 」 というより、むしろ 「 恐怖 」 に近い話だった。


まず、オフィス では 「 業務上、必要最低限の会話 」 しかせず、とっておきの ジョーク を誰かが話しても、「 われ関せず 」 と知らん顔をしている。

いつも一人で過ごし、会議の間は配布された書類やプレゼンボードを食い入るように眺め、発言はしないし、他人の話も聴いている様子がない。

それで、「 聴かなくていいのか 」 と尋ねたら、「 重要事項は後で書面化されるはずだから、それに目を通す 」 と答え、話の過程には関心を示さない。

彼が 「 まるで英語を話せない人物 」 なら、周囲も手を差し伸べやすかったのだが、中途半端に話せるがゆえに、同僚も普通に接するしかなかった。

なんとか、彼を孤立させないように、たえず機会を探っては話し掛けたが、彼は 「 友達がいない 」 のではなく、自分でつくる努力をしなかったという。


それで周囲は、彼を外食に誘ったり、ご家族を自宅に招いたり、彼の家に訪問したりする 「 解決策 」 を実行することにしたらしい。

ところが、せっかく夫婦を夕食に招いても、行儀よく、ひっそりと座っているだけで、積極的に会話へ入ってこないし、ただ モジモジ しているだけだ。

夫妻を自宅へ招いた男性によると、「 一生懸命に話題を探し、質問しても、短い答えが返ってきて再び沈黙する 」 ことの繰り返しだったという。

遠慮しているのか、内気なのか不明だが、とにかく、「 彼らと交流するのは気が重い 」 と家人からも苦情が出て、次から誘えなくなってしまったらしい。

私が出張するまでにも、他の日本人社員がオフィスを訪れたが、当時は彼がいたので、なんとなく気まずく、「 weirdo 」 の相談ができなかったようだ。


自民党総裁選は、福田 氏、麻生 氏 の一騎打ちになっているが、現時点で 福田 氏 が優勢とみられ、おそらく近日中に 「 福田内閣 」 が成立する。

政策は別として、演説は 麻生 氏 のほうが長けており、大衆の関心を惹く技術においては、今後、福田 氏 は研究する必要があるだろう。

小泉 前総理 がアメリカを訪問した際、不器用に プレスリー の物真似をしたら、「 恥だ 」、「 アメリカの気をひこうと姑息だ 」 と批難した人もいる。

しかし、流暢な英語で立派な理屈を並べるより、身を削って恥を晒したほうが 「 友達になれる 」 こともあるわけで、英語力がなくても外交はできる。

本当の恥は、嘲笑されることを恐れ 「 不気味に微笑むだけ 」 の形式外交であり、政策を語る前に、「 友人の話を聴こう 」 という姿勢作りが必要だ。






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