Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2007年06月14日(木) 羊頭狗肉だった NOVA の広告



「 私たちの工場では、口紅を製造する。

  私たちの広告では、希望を売る 」

                チャールズ・レブソン ( アメリカの事業経営者 )

In our factory, we make lipstick.
In our advertising, we sell hope.

                                Charles Revson



2人の共同出資者と共に、化粧品会社 『 レブロン 』 を創業した人物。

会社はアメリカで最大規模の小売り化粧品・香水会社となった。


女性向け商品、たとえば化粧品や、アパレルや、宝石を販売する秘訣は、対象となる女性に 「 現在の持ち物に不満を抱かせる 」 ことに尽きる。

そうすることで一部の女性には、つい昨日まで不要だと思っていた商品が、「 それなしでは生きていけない 」 ぐらいの購買衝動を喚起させられる。

特に、美しくなりたいと願う欲求は、古今東西、多かれ少なかれ誰もが抱く願望であって、そこを上手くアプローチすれば、女性向け商品は売れる。

それを瞬時に、大量の顧客へ知らしめるためのツールは 「 広告 」 であり、雑誌や、電車の中吊りや、テレビ、ラジオなどが媒体として使われる。

商品の優劣もさることながら、広告展開の良し悪しが、その後の売上拡大に大きく影響することは、既に周知の事実である。


中国・宋時代の禅書 『 無関門 』 には、「 羊頭狗肉 」 という言葉の出典があり、これは 「 羊頭を掲げて狗肉を売る 」 を略した四字熟語である。

店先にある看板には 「 羊頭 ( 羊の頭 ) 」 を掲げておきながら、実際には 「 狗肉 ( 犬の肉 ) 」 を売るという意味で、嘘、誤魔化しの喩えだ。

商品の特長、効能を最大限に引き立てることは広告の役割だが、あまりに度が過ぎると、「 見せかけは立派だが、実物は違う 」 という苦情に至る。

場合によっては、単なる過剰広告といった範囲に留まらず、「 詐欺行為 」 だとして処罰されることもあるので、広告を打つ際には注意が必要だ。

広告には謳われていない細かな取り決めが 「 契約書 」 に記載されていても、「 誤解を招く手法 」 として悪用されている場合は、不正とみなされる。


駅前留学、お茶の間留学などのキャッチコピーで有名な英会話学校最大手の 『 NOVA 』 が、一部業務の営業停止を経済産業省から通達された。

この日記でも以前に取り上げたが、同社の勧誘には特定商取引法違反 ( 不実告知など ) に抵触する不正が相次ぎ、利用者の苦情が多かった。

具体例を挙げると、好きなときに予約が取れると勧誘しておきながら、実際には利用者の多い夜間は 「 困難だ 」 と断ったりしていたらしい。

また、契約書を交付した日が起算日となるにもかかわらず、契約より前に氏名を登録した日から起算し、クーリングオフに応じなかった例もある。

いづれも、経営者側が 「 これらの不正を承知していた 」 ことを極めて悪質だと経済産業省から判断され、今回の業務停止命令に至った模様だ。


彼らの広告は、ユニークで面白味があり、しかも、語学が習熟すると視野が広がるといった 「 向学心を喚起する 」 内容で、とても優れていたと思う。

その広告に誘われ、外国語をマスターし、異文化交流を果たしたり、海外で活躍する日本人の一助になったのなら、その功績は大きいだろう。

しかしながら、ビジネスにおいて 「 羊頭狗肉 」 は詐欺にあたり、現実的に金銭的被害を被った人がいる以上、けして許されるものではない。

広告展開が成功し、知名度が高まった分だけ、マイナスイメージが定着する率も高く、今後の信頼回復には時間と労力が費やされることだろう。

顧客に語学を教えたり、自らの広告ノウハウを向上させる以前に、「 正しいビジネスの在り方 」 を学ぶところから、再度、やり直す必要がありそうだ。






↑ エンピツ投票ボタン です。 一度クリックする毎に筆者が踊ります。

My追加


 < PAST  INDEX  NEXT >


Oldsoldier TAKA [MAIL]

My追加