羽積風narration
…どうかなぁ?

2008年06月17日(火) 意思と医療と愛情と

msnトップページで目に付いた、夜回り先生こと水谷修さんの記事を読んだ。

シンナーをやめさせようと水谷さんが愛を注いで接していた少年がある日

『シンナーをやめられないのは依存症という病気。
 医師、専門機関による治療が必要』

と書かれた薬物治療に関する新聞記事を発見し
その切抜きを持って来て水谷さんに病院へ連れて行って欲しいと請うが、
少年の発した「先生はシロウトだから、病気のこと何もわかんねぇよな」
という言葉にカッとしてしまった水谷さんが
すぐに病院へ連れて行かず冷たく接してしまい、
少年がその四時間後にシンナーを吸って自殺してしまった。

その後、少年と訪れるはずだった病院へ水谷さんは一人で行き、

「水谷先生、薬物依存症は病気だ。愛の力では治らない」

と、院長から言われる。

…というような内容の記事で詳細や続きはリンクから読んでほしいのですが。

私の母は薬物依存で、専門の病院へ入院させて身体から薬を抜いたものの、
結局はまた薬に依存してしまい、断ち切ることができないまま他界しました。

そのことを私は、私に愛が無さ過ぎたからではないか?
もっと愛を持って必死になれば制止できたのではないか?
…と、ずっと思っていたしもちろん今でも思っているのですが

「薬物依存症は病気だ。愛の力では治らない」

という言葉に今日は少しだけ、救われました。

依存症の専門の施設などでも「結局は本人の強い意思がなければ
どうにもならない問題で、家族や周りにいる人が振り回されすぎて
共倒れになっても意味が無い」などとよく言われました。

とはいえ、こうやって書いていると

共倒れを避けるために自分は母に対して冷たすぎたのではないか?
そういう理屈では割り切れない愛情を親に持てない自分はおかしいのでは?

などいろいろ葛藤もやはりあるのですが、
とにかく今日は少しだけ救われました、ということで。うん。

今日は母の誕生日です。
59歳になるはずでしたが、永遠の56歳です。

LINK:【人、瞬間(ひととき)】あの日 夜回り先生・水谷修さん(52)


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汐 楓菜 [MAIL] [活動記録]

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