過去の日記 もくじ 新しい日記
私が娼婦になったら。
2002年05月31日(金)
『私が娼婦になったら いちばん最初のお客は おかもと たろうだ
私が娼婦になったら 私が今まで買いためた本をみんな 古本屋に売りはらって 世界で一番香りのよい石鹸を買おう
私が娼婦になったら 悲しみをいっぱい背負って来た人には 翼をあげよう
私が娼婦になったら たろうのにおいの残ったプライベートルームは いつも綺麗に掃除して 悪いけれど誰も入れない
私が娼婦になったら 太陽の下で汗を流しながらお洗濯をしよう
私が娼婦になったら アンドロメダを腕輪にする呪文を覚えよう
私が娼婦になったら 誰にも犯サレナイ少女になろう
私が娼婦になったら 悲しみを乗り越えた慈悲深いマリアになろう
私が娼婦になったら 黒人(アポロ)に五月の風を教えよう
私が娼婦になったら 黒人(アポロ)からJAZZを教えてもらおう
淋しい時にはベッドにはいって たろうのにおいをかぎ うれしい時は窓に向かって静かに 次に起こることを待ち 誰かにむしょうに合いたくなったら ベッドにもぐって 息を殺して遠い星の声を聞こう』
(「書を捨てよ,町へ出よう」から抜粋)
紛い物でも, 無償じゃなくても ただの一瞬でも『娼婦』は わたしを愛してくれるだろうか。
|