白痴日記
白痴



 足の指

夜,大動脈みたいな川に架かった橋を渡りながら
其れは襲ってくる.
恐怖.

私はしっかり立とうとして足の指に力を込める.
不自然に突っ張る指先.少し内側に曲げてみたり.

嗚呼,こんな足の指を私は見たことがある.
それは性交の時のわざとらしい私の指だ.
誤魔化そうとしている私の指だ.

暗闇の中,私は前に進んでいるのか後ろに下がっているのか
判断がつかない.

2003年04月30日(水)
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