部長motoいっぺい DiaryINDEX|past|will
おととい、夜遊びから帰ってこない嫁を待って、午前1時過ぎまで起きていたら、風邪を引いてしまった駐在2号。です。。。 今朝、出勤途中の車で聞いていたラジオのニュースで、日本人3名解放の知らせを聞く。もしや聞き間違いでは?と思い(まだ自分のヒアリングに自信をもてない(笑))、事務所についてすぐにウェブニュースをチェックすると、やはり解放とのこと。 無事の解放を確認しホッとするとともに、これを美談とせず教訓にしなければ、と思う。というわけで、本日再びイラク人質問題について日記に記す。 あ、別に、先日の日記がReiko Katoさんに文中リンクされたおかげでアクセスが伸びて、調子に乗ってる・・・なんてわけじゃないはず(笑) 各誌のニュースを見ると、人質が解放された理由として、 ・政府が自衛隊撤退の方針をブレさせなかったこと ・政府が適切な聖職者を通じて交渉にあたったこと ・日本国内で、自衛隊撤退に向けた世論が湧きあがったこと ・人質の活動(目的)が理解されたこと ・現地テレビを通じた家族の訴えが功を奏したこと といったものがあげられている。 実際、誘拐グループが、どのような理由により解放したのかは、想像するよりしかたないが、僕は「(いろいろな意味で)ラッキーだった」という理由を忘れてはいけないと思う。 仮に、同じメンバーに対して同じことが再び起こった場合、今度は解放されない可能性のほうが高いという気がする。 だからこそ、「人質の活動(目的)が理解されたので解放された」などと言う美談に仕立て上げて、無謀なイラク入りを美化するようなことがあってはならないと思う。 イラクで人質となった3名についてであるが、「志が高い目的を持ってイラクに渡った」というところを擁護する向きもあるようだが、僕はやはり間違っていると思う。 小さい頃、人間として誰しもが親に教わるであろうであろうことに、「人に迷惑をかけない」「人に親切にする」というものがあると思う。では、「人に迷惑をかけてまで、人に親切にする(崇高な目的を達成する)」ということが認められるか、というと、少なくても僕の中では認められない。 今回の3名は、それぞれどんな目的があったにしろ、「人に迷惑をかけた」という紛れもない事実において、人の手助けをする者として失格だと思う。 今回、最も大きな批判が浴びせられた人質の家族の対応についてだが(郡山カメラマンの母の対応は除く)、「人質にとられた家族の悲痛な気持ち」を考慮する必要は、確かにあると思う。 しかしながら、自分の子供・兄弟の解放に向けて努力をしている政府に対して批判の言葉ばかりで、感謝の言葉がないというのは、やはり非常識と感じざるを得ない。また、自己責任で事件に巻き込まれたのに、その家族が総理大臣に会わせろなどという、全く持って筋の通らない要求をしているのにも、ただただ呆れるのみであった。 加えて、今回の家族の対応により、リスク回避に努めている常識的なNGOやボランティア団体までが、彼らと同類であるとうがった見方をされる可能性があることについても、彼らの対応(主張)のまずさによるものと言わざるをえない。 (これについて、怒っているNGO・ボランティア団体の人は少なくないと思う) 最後に、マスコミの反応についてだが、アメリカに住んでいるので全体の論調についてはよく分からない。ただ、Reiko Katoさんの日記に、 >印象として野党や大手マスコミは、全体として >・こうした事件を引き起こしたのは小泉内閣の責任 >・拉致された邦人の家族に同情的 >・三人の命を救うためなら自衛隊の撤退もあり >といった姿勢でいるように思う。 と書かれており、他の情報ソースも、大方そのようなことを示唆しているので、こういった雰囲気であるという前提で続ける。 実は、上記のReikoさんの日記は、嫁と二人で一緒に読んでいたのだが、ほぼ同時に「エッ、そうなの?」と声を上げるほど意外だった。 このことから僕が受けた印象は、お涙頂戴のニュースを流すことに熱心な、日本のマスコミの未成熟さ(アメリカのマスコミが進んでいるとも言わないが)に対する失望であり、加えて、これもReikoさんが書いているが、マスコミが主張・誘導する世論と、実際の世論の差が明らかになる、ウェブ世界(世論)の出現に対する驚きであった。 末筆: 人質の家族の対応に対して、僕はかなり批判的であるが、よからぬ輩が悪質なファックスなどを人質家族に送りつける「犯罪行為」については、断固として否定する。 残る二人についても、無事解放されることを心から願っています。
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