sideB更新。
お題小説いっこあげました。
今回は未公開ファイル(という名の未完成品)にあった話の一部を加筆してます。
中学を卒業して、何年ぶりかに行われた同窓会。
その日はくしくも、生まれ育ったこの「町」が隣町と合併し「市」に変わる前日のことだった。
明日になれば慣れ親しんだ故郷の名があとかたもなく消えてしまう。
でもさびれた町の発展を思えばそれも仕方ないこと。
だけどどこかさびしさを感じてしまう――
すると、誰かがこう言った。
――変わる前にもう一度、この町をめぐってみないか?
ネタ自体は平成の市町村合併(だったかな?)をモチーフにしてます。
当時はウチの実家のあたりも例外にあらずで、隣接する町との合併することが決まってました。
まぁ、私は合併が決まるずっと前から実家を離れて暮らしていたので最初は「へぇ、そうなんだ」な程度な思いだったのですよ。
でも、実際にその日が近づいてくると、地図上にあったはずの文字や学校の看板に掲げられていた「○○町立」という文字が消えてしまうことに寂しさを感じてしまったことを覚えています。
今では住所表記や一部の学校のみにだけ町の名が残されている状態なのですが。
愛着のある故郷の名に敬意と感謝をこめ、何か形に残せたらと……そんな思いでできたのがこの話です。
最初は「故郷ヲ思フ」という題名でした。
うん。このタイトルも何故かすんなり決まってたんですよね。
で、その冒頭が主人公が電車で帰省するところから始まるという(このへんは「going home」に通ずするというか、その派生的話が「故郷ヲ思フ」だったというか)ある意味、私の中にある故郷というか、田舎へのラブ全開な話ですね(笑)
もともと公募用にと考えてた話の一つだったのですが、持久力が続かず、ありきたな展開で終わってしまいそうという考えに至り、プロット&一部の習作を残して没ったネタでした。
ネタ帳には町巡りのコースとか登場人物たちの背景とか、田舎ならではの問題とかも書いてあって、当時の自分の思考回路がよくわかったというか。ああ、やっぱり私は田舎気質なんだなぁと思った次第でございます。
そういや昔、「(そっちの地区は)信号機がない」とか「こっちは2基建ってる」とかって大の大人がいがみ合ってたなぁというのもあったっけ。
そのはしくれは大悟と加代子のプチコント(?)に取りこんでいますので、そのへんも楽しんでもらえたらと思います。