今日のタイトルは杉下右京の台詞から、ということで。
「相棒」劇場版を観てきました。
多少ネタバレありな話。まだ観てない人は見ない方が賢明かもしれません。
劇場版では、とある殺人事件から始まるわけですが。
マラソン会場に集まった三万五千人の命を救うべく、右京さんと(亀山)薫ちゃんが奔走する壮大な物語でもあります。
でも、最初に気になったのは登場人物よりも脚本だったりして。
今回は戸田山さんと言う方で、確か今度の朝ドラの脚本も書くんだったよね。
今回の内容はドラマ版相棒の脚本を務める一人、桜井さんの要素も入ったような、社会に訴える話になったな、と思います。
気になったとすれば過去の事件の回想カットが多かったのと、犯人逮捕からちょっとだけ物語が間延びした部分かな。
テレビだと爆発シーンとか、薫ちゃんの入水シーンとか取り上げられていますが。
一番のお奨めは右京さんが犯人を取調べるシーン。
右京さんと犯人の静かなかけひき。右京さんが真の目的を暴く時の鮮やかさ。
均衡が崩れた時の二人の表情がもう切なくて。気ぃ張ってなかったらこっちが泣きそうになります。
あれは人間ドラマでいうお涙頂戴以上に役者魂を見せられるシーンです。是非注目してもらいたいところです。
そして片山雛子っ。
そうくるか、やっぱりあんたはそうなのか。期待を裏切らない行動にうっかり私もほくそ笑んでしまったではないか!
鹿手袋さんも相変わらず灰色生活、というか完全に雛子のヒモですね。美和子さん、薫ちゃんにして正解だよ。
なので雛子に対する瀬戸内さんの「成仏」という言葉がとても皮肉なのです。結果として、以前右京さんが「逆境を吸収して美しくなる」と言っていたのを更に強調したのではないかと思ったりもするんですけどね。
でもって小野田さん(岸部一徳)も限りなく灰色。上からの圧力にしたたかだし。この人も敵なんだか味方なんだかよく分からない人だわ。
でもま、これが「相棒」の永遠のテーマなんだろうな。
最後に蛇足。瀬戸内さんが出てたのなら閣下も出して欲しかったなぁ。物語上不可能な話なのは分かっているんですけどね。長門、津川兄弟の共演をまた見てみたかったんです。ドラマ版でもいいからまた出てほしいです。
あと伊丹んはドラえもんでいう所の「ジャイアン的」生き方なんでしょうか?(ふだんは薫ちゃんいじめているくせに、映画になると彼にやたら協力的なあたり)
米沢さんは裏話になっている文庫を読んで楽しみたいと思います。