(はじめに)
「逆転日記」は和が病気になってて書けなかった当時の出来事を綴っております。
なので表現が過去調ですんであらかじめご了承ください。
(10月2日)
この時期は熱にうかされ、咳に悩まされ。
誰がどんな会話をしてたのか、はっきりとは憶えてないんだけど。
妙に印象に残った会話があった。
結納が終わった後、無理して寮に戻った時の帰りの電車と。
前日、仕事を早退して帰った時のバスの中。
前者は若いにーちゃん数人で。後者は小学生の子供と、そのお母さんらしき人だったんだけど。
病気ながらすんごい気になってしょうがなかったっす。
若いにーちゃん達は。
私と同じ駅で電車に乗ってきて。
私の隣のボックス席に陣取って、何をするかと思えば。
ノンストップでエロトーク。
「あのねぇちゃんはいい」とか「やりてー」とか。
酒も相当入っていたようにも思われますが。
とにかくすごかった。
てか声がデカすぎ。
田舎の夜の上り電車なんて空いてるから声がえんらい響くのね。
まぁ、エロトークをするなとは言いませんが、場所を選んでほしかったっす。
うん。飲み屋で話をするならいいさ。
けどここは電車の中。
無視して無理に本を読もうとしても頭がくらくら。
席を移動するにも熱で体が動かない、てか動けない。
注意する気力すら・・・出んわ、こりゃ。
なので、そこだけ妙にピンクめいた空間でした。
あのにーちゃん達はどこまでエロトークで行ったんだろう・・・(ちょっと疑問)
親子連れ。
あの2人の会話とゆーかケンカとゆーか。
一歩間違えたら虐待なんじゃないかってな位の迫力で。
えんらい恐ろしかったっす。マジで。
その親子がバスに乗り込んだ時。
子供は一番後ろの席に座りたかったようで。
後ろの席に陣取って、母親を呼んだんですね。
でも、母親は前の席に座って。そこに子供も座らせるつもりだったようで。
「こっちに座りなさい」って促すんですわ。
でも子供は言うコトをきくわけでもなく。
確かにね、後ろの席のほうが景色が見えていいんですよね。
けど母親、子供をひきずって前の席に座らせたんですわ。
ひきずって。
で、私も含めたお客さんの目の前で。
「何で言うことをきかないの?」
バシってマジに子供の体を叩くんですわ。
何度も。
で、子供はすっかりおびえて「許してください」って言うのよ。
「ごめんなさい」じゃないの。「許してください」
・・・虐待か???
ちょっとヤバいんじゃないかって、さすがの私も思いまして。
次殴ったら私が何か言ってやるぞ、と思った時。
「殴るなら殴れよ」
子供がそう言ったんですわ。
私ゃ唖然としましたよ。
子供が言うセリフなのか???
さすがに母親、叩くのは止めました。
が、この親子。かなり怪しげっす。
母親は言葉より手が先に出るらしく、紙一重っぽく見えるし。
子供は子供でそれを分かってて言葉を選んでるフシがある。
何か、言葉を失いましたね。
まぁ、そんな中でも救いだったのは。
母親が泣き顔の子供の顔をタオルで拭いたこと。
もし子供が疎ましいならそんな事はしませんね。
だからそれなりの愛情はあるんでしょう。
けど、私には理解しがたい部分があります。
なぜ前の席に座れといったのか、その理由を説明すれば手を上げることはなかったのに。
ささいな事なんだけど。
言葉や行動ひとつ欠けるだけでこうなってしまうのは。
怖いと同時に悲しく感じます。
人の心が複雑になったのか。
それとも。
単純な「何か」を置き忘れてしまったのか。