笑う角に光りあれ...オレステス・デストラーデ

 

 

赤目四十八瀧心中未遂 - 2020年01月08日(水)

正月から読み始めた車谷長吉の「赤目四十八瀧心中未遂」を読み終える。

凄まじい作品だった。
これまでも心を鷲掴みにされるとか、涙が止まらないとか、言葉にならないとか、そう言った経験を多々してきたけれど、この作品を読んて沸いてきたのは、そのどれとも違う、感じえたことのない感覚だった。

自分が生きているこの社会のどこか地続きの先に存在する世界と感じざるを得ないリアリティと、一方でまったく手の届かない、触れることのできない虚構感の狭間で、今までに感じたことのない異空間に連れ込まれるような感覚だった。

この作品を知ったきっかけは西村賢太の書評から。
その昔、ライナーノーツやサンクスリストに書かれていたバンド名から新たな脈を探り当てた時とまったく同じ感覚を、今度は本の世界で体験している。
まだまだいける。


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