ブルーアンドグリーン - 2003年09月03日(水) 鈍行に揺られること9時間。見事に帰京。 東京駅のホームで東海道線を待ちながら、これは単なる旅行なんではないだろうかとか、既に死んでいるはずのばあちゃんは元気だろうかとか、全く意味のない空虚なことを考えていた。 「東京を離れる」という行為が、実は「家に帰る」と行為だという奇妙なパラドックス。 小田原を越えて突如開けた太平洋に、またやられた。 瞳孔の奥に突き刺さってくるブルー。 一体全体どの辺りまでくれば関東色が払拭されるのだろうかと思って、目を開いて耳を開いて鼻を開いて、辺りを見ていた。 窓の外の景色は一向に変わらない。 太平洋のブルーと、茶畑のグリーン。 永遠に続くかのような静岡県に妙な訛りは聞こえない。 「あっ。」 最初に感じたのは、鼻だった。いや目か。 もうすぐで名古屋に差し掛かる一歩手前。 僕と同世代ぐらいの女の子が隣に座ってきた。 「あっ。」 東京の寒空に吹かれて僕の鼻はマヒしていたはず。 でも、なんとなく匂いが漂ってきた。 味噌の匂い。 変な悪臭があるわけでもなく、ただ僕の中の無数の先入観と不思議に溶け合った瞬間。 そこは、もう絶対に関東じゃなかった。 彼女は僕のことなんか全然見ていない。 鏡を必死に見ながら化粧を直している。 京都の夜は相変わらず蒸し暑い。 -
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