平素に在り

2005年01月18日(火) 得体の知れない

漠然とした不安と重圧。
家族も、会社も、何一つ辛い事がないのに、
暗い気分だ。

あの日の夜、彼女は「死んでやる!死んでやる!」
と叫んでいた。それはもう常軌を逸していた。

自分は自分で、「それでも別れる」と
言った。

その時点で、僕は予想していた。
彼女は自殺する、と。

十数年前のことなのに
全然失せる事のない記憶。

ばかやろー、失恋なんかで死ぬな!

自分だけが斎場の入り口で
入場を断られ、そのため彼女の
死に顔を見ていない。

いつも笑っていた彼女と
死んでしまった彼女。

その中間点が、死の儀式であり
死に顔であり、焼香であり・・・
それら全てに立ち会えなかった自分。

僕の中では、彼女は生き生きと
笑っている。彼女の「死」が
現実感のないまま時が経つ。

こんな切ない日は、どうやって
時間をやり過ごそうか。


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こうたろう [MAIL]

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