かなしいうわさ
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2006年11月14日(火)

年末にかけて、駆けつけたいライブが山のようにあるのだけど、仕事が大きく動き出しているのでそうそう時間が取れない。平日はほぼアウト。日常にファンクが足りねえ。足りないなら自分で生み出せば良いのだが、疲弊した頭と体でフォンキィなグルーヴを作りだすには俺はまだまだ修行が足りないようです。そこで無理やりに仕事に見切りをつけて滑り込んだのは会社から5分のブルーノート大阪。


〜JAZZ FUNK EXPO 2006〜 Baker Brothers×Boston Horns


立ち見席4800円。中途半端にコジャレた内装と接客な店内にはよれよれの吊るしのスーツの俺はとても場違いやねコレ。 バーカウンターで並んでいると、前のビジネスマンぽい客がビールを頼んでおきながらビールが出てきたら「レッドアイっつったやろがボケ!」などとキレているので、「言ってねえだろがあ!後ろで聞いてたわ糞が!」と怒鳴る俺。いやいや、立ち飲み屋のおっちゃんか俺は、いけません、愉しい時を前に下らない事で心揺らしてはいけませんよ、心にファンクが足りないのでこういう言い草になる!冷静になって「ねえちゃんその間違って注いじゃったビール俺もらうわー」とひったくって、そそくさと立見席へ移動。

ほどなくはじまりました。まずはボストン・ホーンズ。Pヴァインから出たライブ盤は子気味良いファンクだったのでけっこう期待していたのだけど、うーん、ゆるい。これはゆるいぞ。良くない意味でのゆるさが。バンド全体にエッジがきいてない。ホーンを生音で聴かせようとしてベースの音が小さすぎるのも要因か。まぁでも疲れた体と頭にはちょうどよいユルさだったので、ゆらゆら心地よく揺れる。ウォームアップには丁度良かった。ジミヘンの「Cross Town Traffic」などやっていたので軽く合唱したり。

ボストン・ホーンズがひっこむと、殆ど時間を置くことなくベイカー・ブラザーズがお出まし。タイトなスーツに身をつつみヘコヘコがに股で登場し「マイドー」「オオサカ、マイドー」なんつって、ハハ阿呆やね。でも音が出た瞬間に変わる空気。太い。でかい。切れがいい。格好良い!よれよれスーツで踊りに踊ってしまった。ミニマルなフレーズを積み上げて大きなグルーヴを作っていくジャム・バンドも気持ちいいんだけど、このバンドみたいにトメやタメをじゅうぶんに生かして、小回りのよいグルーヴをビシッ!バシッ!と決めていくのも格好良いなあ。ゲラゲラ笑うんじゃなくて、気の置けない友人と話がバッチリ噛み合ったときに見せる会心の「ニヤリ」の気持ちよさ。あれがビシバシ決まりまくる、という状況を想像してもらえればいいかな。ああとても気分がいい。今夜のジントニックはうまいぜ。
それにしてもドラムが死ぬほど巧い。スタントン・ムーア@Galacticからブレイキン度をちょい引いて、浮遊感を増したような子気味良いドラミング。初期ミーターズの遺伝子がここに! こんな旨いドラムがあれば飯何杯でもいけます。

最後は両バンド混成でSons and Daughters of Liteの「Let the Sun Shine In」のカバー!おおおお! これまた玉乱。とくに中盤の両バンドのドラムソロ合戦の時間には確実にファンクの神が降りてきていたよ。グツグツと煮えたぎるフォンキィを注入していただいた。


テーブル席に座っている奴らはライブも観ずにヘラヘラ談笑しながら2000円もするきしめんスパゲティをするするとすすっていやがるよ糞が、などと思っていたけど、ベイカーブラザーズが音を出した瞬間に総立ちになりやがんの。そしてライブが終わり客電が付いても一向に帰らず声をあげてのアンコールの嵐。ブルーノートに来ている輩などジャズを聴くのがオサレと勘違いしている糞どもとばかりと(ちょっと)思っていた俺が間違っていました(;´Д`)すみませんでしたあああ



ファンク分を十二分に補給できたので年末まで頑張れそうです。












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