しょっぴの日記...しょっぴ

 

 

しろてんはなむぐり - 2005年06月11日(土)

ちびちびが大切に(?)飼っていた
しろてんはなむぐりが、死んでしまった。
去年の夏、垣根の紅カナメに来ていたのを
2匹つかまえて、カブトムシみたいに
土と昆虫ゼリーを入れて飼っていたのだ。

シロテンハナムグリって
ようするにカナブンなんだけど、
「カナブン」と言うとちびちびが怒って
「ちがうよ!シロテンハナムグリだよ!」と
たどたとしい口調で訂正するのが面白かった。

最近は「しろてん」と呼ぶようになり、
春先には、土の中で幼虫が孵っていることも
判明したりして、ちびちびは
玄関先の、しろてんケースを、ことあるごとにのぞいては
「しろてん歩いてた」
「しろてん飛んでた!」と報告してくれ、
ときどきは保育園に持っていったりして
かなり愛情を注いでいたのであった。

それが、木曜日の夕方、保育園から帰って
玄関先のケースをいつものように覗き込んだあと、
真っ赤な目で「お母さん、しろてん死んじゃった……」
と。
じつは、2匹いたシロテンのうち、一匹は
数週間前に、ちびに踏まれて死んでしまうという
不幸に見舞われていた。
そのときは夫がそばにいて、
「はいはい、うめてあげようね」って
すかさず穴を掘って埋めてしまい、ちびちびも
ちょっとべそをかいたくらいで、
「おかあさん、ちびくんがちびちびのシロテンふんじゃった!」
と、わりとあっさり報告していたのだけど、
今度はずいぶん様子が違う。
かなりしょーんぼりして、肩を落として泣いてるのだ。
「ほんとに死んじゃったの?」
と聞くと、「だって、さわってもうごかないよ」
と言うのだが、私はそのときまだ、
あんまりちびちびの気持ちを
くみとってやれなくて、
「じゃあ、明日お父さんに見てもらいなよ。
それより、虫にさわったなら、よーく手を洗いなよ」
などと冷たいことを言ってしまった。

そしたら、夕食のときにもべそべそしてて、
ときどき手を止めて顔を上げては
「しろてんが死んじゃったぁ」と赤い目で訴えるので、
ああーこりゃかなりショック受けてんだなと思い、
「じゃあ明日見て、もしほんとに死んじゃってたら、
おはか作ってあげなよ。
それで、『ちびちびのとこにきてくれてありがと』って、
おわかれしようね」と言ったら、
泣くのをがまんするようにうなずいて、
でもそのあとでうわーんて突っ伏したりして、
芝居がかっちゃいるけど、本気で悲しかったみたいだ。

そんなに、シロテンハナムグリを愛していたなんて……って、
こっちが、ちょっと意外に思うほど。

シロテンハナムグリは、やっぱり死んじゃってて、
庭先に埋めてやったわけだけど、
ちびちびは時々思い出しては
「しろてん、また飛んでくる?」と聞いてくる。
どうせ夏になれば、いらないほど紅カナメにつくから、
「うん、くるよ」と答えてやると
ちょっと安心するみたいなんだけど、
『死んでしまったシロテンはもどってこない、
今度来たとしても、それはまたべつのいのち』だということに
気づいているのか、それともシロテンならなんでもいのか、
またはいつか気づくのか、どうなんだろーと思う。

でも、犬やネコなら、固体がそれぞれ見分けもつきやすくて
『ひとつひとつの命』って事がわかりやすいだろうけど、
カナブンじゃあねぇ。
どれもこれも同じにしか見えないもんね。
わかんないかなー。


...




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