トリの罵詈雑言
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2004年01月11日(日) |
”ソウル”と”香港”が思い起こさせる人生の妙 |
『海洋学』、もしくは『海洋生態学』をご存知だろうか?。
日本で理系学部を設置している大学があっても、『海洋学部』を 専門的に設置している大学は、私の知る限りでは、「無い」。 (もし、設置している大学をご存知の方はお知らせください)
『海洋学』、もしくは同様の学問を学ぶためには、 日本では東京大学の農学部・東京工業大学・東海大学などの一部の学科に 通う必要がある。東京水産大学もあるが、この大学は来年度(平成16年度)合併するために、 参考程度に紹介しておくことにする。 どの大学に通うにせよ、この学問を修めるためには、 狭き門を通らなければならない。
さて、今日は一人の海洋生物学者を紹介したい。 ジャック・モイヤー博士である。
彼の略歴は複雑なので、割愛したい。 しかし、ヒトツのエピソードを紹介しよう。
『朝鮮戦争に従軍のため来日していた1952年、アメリカ空軍の爆撃訓練 の演習地とされていた三宅島近海の三本岳で、当時絶滅の危機にあった カンムリウミスズメを救うため、当時のアメリカ大統領トルーマンにあて、 米空軍の爆撃訓練中止を訴える書状を送付。 その結果、爆撃訓練は中止。』 ( ↑ 新聞記事などを要約 )
これをきっかけに、三宅島へ移住。 その後東京大学においては、サンゴ礁の魚の繁殖生態に関する研究(具体的には 『クマノミの周囲の環境変化による性転換』) で博士号を取得する。
このモイヤー博士が先日(9日)亡くなった。
今日付け(1月11日付け)の某読売新聞の35面にて、 詳しい記事が載っているので、詳しくはソチラをご覧に なっていただきたい。
今日はナゼ、モイヤー先生について書こうと思ったのか、 その理由は、実は、書いてる自分がわかってない。(爆) 今日は本当はソウルと香港について触れるハズだった。
今日のネタは、京王線・京王井の頭線の『明大前』駅にある 焼肉屋と中華料理屋について書くつもりだった。
ツッコミどころはただ1つ。
『おいおい、ワザワザ焼肉屋と中華料理屋が隣同士に並ばなくてもいいじゃん?』 というものであった。
しかもお店の名前に ”ソウル” と ”香港” が付く。 『・・・ココは日本ですよ!!』と、 そうツッコミたかったのだ。
今朝、ジャック・モイヤー先生の訃報を聞いて、 普段新聞をとっていないのでY売新聞を買ってみた。 そして訃報の記事を読んでみたが、なんとも実感がない。
昨年の夏、モイヤー先生の海鳥に関する話・海流に関する話・ 海に流れてしまったゴミに関する話を聞く機会に恵まれた。 (この経験は大変貴重である。)
彼の話は大変興味深く、面白く、わかりやすかった。
彼には実績がある。 博士号も、アメリカの大学と東大と、 2つの国の一流大学から取得している。 何より、1国の大統領を動かすほどの情熱は、彼の特筆すべき点として 挙げられるだろう。
それで気が付いた。
アメリカと日本をつなぎ、三宅島を避難してからも自然の大切さを 訴えつづけたモイヤー先生。
その情熱は、彼の講義を受けた人みんなの中に残っているのでは ないか、と。 NPOを拠点とした彼の活動・情熱は、 いまこの日本に生きる、彼の講義を受けた人みんなに伝わったであろうと。 これからも残り続けるだろうと。
”ソウル”と”香港”が私に気づかせてくれたのは、 モイヤー先生の『”国”という枠にこだわらない・縛られない生き方』 である。
『日本が大好きだ』 そう話していたモイヤー先生が、 大好きな日本で亡くなった。 自分の人生の最後の地として選んだ。
人間の人生の妙とも言えるかもしれない。
その理由は、私のような未熟者にはわからない。 その気持ちを察することもできない。
ただ、彼の、日本の自然に対する情熱・危機感は 受け取ったつもりだ。 私と一緒に492人の子供たちも彼の講義を受けた。
日本の未来は、この492人の子供たちが支えてくれるでしょう。 下手な大人に任せるよりは、よっぽど期待が持てます。
■モイヤー先生のご冥福をお祈りします■
***************** モイヤー先生の代表的なお話はコチラ
http://payon.ocn.ne.jp/wanda/free/magazine/jack/jack01.html
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以上♪
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