毒茄子
レガお君



 両立は、親世代の憧れ。

職場の先輩たちと飲みに行った。

1人はバツいちで娘が1人。
来年ぐらいに再婚予定。
もう1人は結婚3年目で子ナシ。と、私。
二人ともいい加減
仕事に疲れてるのは知ってた。

で、
お互い探るように将来設計を披露したら
なんと全員出産退職希望。
ひとりの教員は、結婚する時オットに
「家でじっと待っていられるのは重いから」
とお仕事続行を希望されたのに
結婚半年ほどして
オットの態度が変わったらしい。

彼女はオットの覚悟を試すべく
「あたしが仕事やめたら
お小遣いへるよなー」とか
色々とカマをかけたけど
オットはあっさりと「ガマンする」
「何なら昼は弁当でもいい」とか言い出して
最初は「働いてて」だったのが
「辞めてもいいよ」に変わり
最近では「お願いやから辞めて」に
なったらしい。
オットの最大の望みは子どもをつくること。

これから妊娠・出産を考えるもの3人で
子どもの作り方について色々と話す。
恥ずかしげも無く箸袋の裏に
基礎体温表を書く。
みんな看護師免許もってるくせに
体温表の読み方はあやしい。

3人とも同じ電子婦人体温計を使い
3人とも大きな体温計を5分間
じっとくわえるのがしんどくて
体温計に歯型がつくのが悩みだったり
体温計が重いから顔だけ横向けて
枕に体温計をもたれさせて検温してるとか
間抜けな共通点もあって大笑い。

まぁ、要はさっさと出産して
仕事を辞めようという話。
何だかんだ言って毎日帰りは7時ごろで
子どもも親も時間に追われるのは明らか。
それで両立なんて無理な気がする。
職場には仕事と子育てを両立してる
という人はいるけど
実際はばーちゃんの協力が大きい。

親の手を借りずに頑張ってる家はあるけど
早起きして晩御飯の支度してから出かけて
夜中に持ち帰り残業してで毎日目が真っ赤。
子どもさんも我慢して
ストレスは貯まってるらしく
それで誰が幸せなのかよくわからない。
そこまでして働かなくても
質素に暮らせばいいやんというのが
3人共通の考え。
3人ともかつてはキャリア志向のナース。

「仕事と家庭の両立が望ましい形だ」
といわれてるけど
それは私たちの親の世代の憧れを
吹き込まれただけのような気がする。
私たちの世代はみんながみんな
それを望んでない。

「家事は労働だから夫婦で分担を」
というけど、家事は労働というより
家族への愛情表現のひとつだとも思う。
特に料理は。だから、たまに
オットが食事を作ってくれると嬉しいけど
ずっと任せようとは思わない。

若い私たちは上から
期待をかけてもらってるのもわかるけど
今の優先順位は完全に家庭。
3人産みたい私が、忙しい現場で
3回も育児休暇をもらえるとは思わない。
まぁ、期限を決めて集中して働いて
出産できれば家族のために生きてもいいと思う。

この話を上司たちが聞いたら
「辞めちゃだめ!」「応援するから両立!」
「辞めなければよかったと後で後悔するのよ」
って憤慨しそうだけど知るもんか。
「親はなくても子は育つ」って言うけど
それは家族や地域がしっかりしてた
昔の時代の話。

女の生きがいや成功は、仕事だけではない。

2005年12月26日(月)
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