毒茄子
レガお君



 キャリアと偶然の力

見事に昼まで寝る。

昼に起きて、何からしようか迷った挙句
ベッドから出ずにブラジルGP観戦となる。
大荒れという言葉では片付けられない
本当に荒れ荒れな内容で
タイヤもサスペンションも外れて
モノコックだけになって
ずるずるコースを滑っていく車を
久々にしかも次々と見る羽目になり
折りしも5月手前の次はイモラという
時期も時期なのでイヤな気分。

ミハエルも全然流れに乗れてなくて
車がひと時速くても最後に残ってなけりゃ
何の意味もないのがこの世界。
本当に何年かぶりで
コース脇にいるミハエルを見たけど
アゴのラインが丸くなって「歳くったなぁ」
というのが正直な感想。

夕方、懐かしい後輩から電話。
彼女は古巣を辞めて実家のある千葉へ帰り
ある病院へ就職したものの
やっぱりガン看護がしたいということで
某国立ガン専門病院へ就職した。
で、そこで働き出して2週間経過、
システムの古さや業務の無駄の多さに
幻滅してしてしまったらしい。

未だ古式ゆかしく申し送りは存続してて
ケモのハイドレーションはすべて
輸液ポンプで落としてる。
ろくろく患者と話もせず
カンファレンスの内容も業務調整のみ。
後輩がガン専門病院で何を学ぶか
私もかなり期待してたのに
聞けば聞くほどげんなりしてくる。
医療の水準と看護のシステムは別?

で、そこの看護スタッフは
プライドだけはしっかりしてるらしく
「どうしてここのやり方はこうなのか」
と尋ねてみても
「それでずっとやってきてるから」
というどうしようもない返事がくるらしい。

2人でブツブツ言い合って
この先の自分の身の振り方について
色々考えてみる。
奇しくも広島に帰った愛弟子も
今の病院に幻滅してると
ブツブツ言ってる最中。
こないだも電話してきて
夜空の月をを見上げて話しながら
「広島と明石と、同じ月見てるねんなぁ」
と遠距離恋愛のようなやり取りをしてた。

不満ばかり言っててもしょうがないけど
自分にプラスにならないとわかったなら
そこに長居するのは時間のムダ。
やりたい事が決まってるなら
自分からそれを求めて動いていくしかない。
最初はちょっと腐り気味だった後輩も
最後には「今出来る事を頑張ってみます。」
という頼もしいお言葉。

私たちの古巣は公立だから
給料は決して高くないけど
本当に卒後教育が充実してる。
実習生も受け入れてるから
結果的に各学校の教員とも繋がりができて
私のステップアップに大きな影響があった。

一緒に働いてるメンバーは
専門学校卒も短大卒も大学卒も
専門・認定看護婦もいるという状態で
それぞれ仕事を通じてつながっていて
そういう人脈はこれまで私を助け、
これからも活きていく。
私がこの先大学院を受ける気になったら
それこそ古巣の先輩や後輩の繋がりで
どんどん世界は広がっていく。
他の病院で同じ様な経験や
出会いあるとは限らない。
やっぱり就職先は大事。特に最初の職場は。

そこがどんな病院かも知らず
公立だからという理由だけで選んだ職場。
偶然肺癌ケモ病棟の配属になった私は
偶然そこにいた先輩の影響を受け
偶然ケモとターミナルにハマり
偶然学生指導が回ってきて
偶然色んな先生と出会い
偶然色んな後輩が入ってきて
偶然出会った婦長のお薦めで
偶然空いてたキャリアアップ研修に出て
偶然教員枠に空きがあって今に至る。
偶然もここまで繋がれば必然。

繋がるべくして繋がった道、堂々と歩こう。

2003年04月19日(土)
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