ロミオとジュリエット@日生劇場 |
2004年12月21日(火) |
日生劇場で「ロミオとジュリエット」を観てきた。 演出は蜷川幸雄、主演は藤原竜也と鈴木杏。
どーんと天井が高くて大きな劇場。 舞台には様々な人種のモノクロ顔写真が貼りついた壁。 数ヶ所扉に開くようになっており三段の高さに組まれている。
抗争を始めるモンタギュー家とキャピュレット家の若者たち。 モンタギュー家は黒、キャピュレット家は白 と衣装の色が分けられていた。 ロミオだけは黒のパンツに白のセーターで現れた。
小劇場系しか見たことがない私にとって 今回はすべてにおいて新鮮だった。
まず一番最初に驚いたのは、セリフの多さ。 「恋をしている」ということヒトツ表すのに 10通り20通りもの例えや表現が次から次へと。 小説の文章と同じくらいの量を一気に語りたてる。 すっごい。 なんなんだあの滑舌の良さは。
そして動き回り方もハンパない。 モンタギュー家とキャピュレット家の抗争もすごいけど ロミオとジュリエットの語らいのシーン。 あの有名な「ああロミオ!どうしてあなたはロミオなの」 っていうアレ。 段の一番上にいるジュリエット目がけて ロミオは何度も壁をよじ登っては降り。
その時の藤原くんが可愛いったら。 ジュリエットの愛の言葉に何度もとろけて 抑えきれない喜びに悶絶する姿は子供みたいに見えて、 思わず笑ってしまうほど。
前半のその若くて可愛らしい場面と 後半、悲しみの底に落ちていく場面とはまるで違う。 表情、立ち振る舞い、声。 藤原竜也の良い評判はたくさん知ってたけど こういうことだったのか、と初めてわかった。 杏ちゃんも同じ。 今まで見たことのない顔をしていた。
本当に主役の2人はすごかった。 一瞬で恋におちてから死んでしまうまでの数日間、 全身全霊で愛し合う若い2人の情熱が伝わってくる。 とんでもないエネルギーだ、あれは。
あんな演技を毎日、まして一日おきには昼夜2回公演も… 信じられない。すごすぎる。役者ってすげぇ。
他の役者さん、 特に神父さんや乳母やマキューシオの人も良かったけど やっぱり主役2人に一番の拍手を送りたい気分。 誰もが知ってる名作を観るってことは もうストーリーは全部知っているわけで 役者をはじめ演出を楽しむということなんだなー、と。 観終わって気がついた。
カーテンコールは3回。 3回目は観客総立ちでの大拍手。 周りの人が立ったのでつられて立ったのだけど、 いやはやそれぐらいの気分ではありましたよ。
セットがモノクロの顔写真で覆われていた意味は 結局なんだったんだろう。 ライトでパーッと目の部分だけ照らされたりして 異質な空気はものすごく出ていて良かったけど。
やー。新鮮だった。 前の方だったので役者さんの表情がちゃんと見えてよかった。 欲を言えばもっと真ん中で見たかったかな。 すごく端だったので見えづらい部分も結構あって。 一万円は重いのです。 でも行ってみて良かった。
しばらく演劇はおあずけ。 またいずれこういう大きな作品も観にきたいねー。
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