花とアリス。

2004年04月21日(水)
新宿にて「花とアリス」を見てきた。

平日真っ昼間ということもあって、中はガラガラ。
真ん中の良好ポジションに座る。

キットカットのサイトで公開していたショートフィルムが
「似て非なるもの(監督談)」として一本の映画になった。
果たしてどんな「似て非なるもの」なのかと
期待は高まっていた。
その期待を裏切らない素敵な作品だった。
「似て非なるもの」の意味がわかって、
あーそういうことだったのか、と。
ショートフィルムはストーリーがチグハグで
それはそれでおもしろかったんだけれども。
この劇場版にて、すべてがきちんと繋がっていた。
ところどころだけ繋がっていたパズルのピースが
ショートフィルムでは隠されていた
ひとつの事実を明らかにしたことによって
ピタリとひとつの絵にできあがったような。

岩井作品には、ひとくせある少女がよく出てくる。
もうちょっと言うなら、ちょっと毒っぽさがある少女。
鈴木蘭々が「GHOST SOUP」「Love Letter」で演じてきたような
ちょっとオカシイ強引な女の子。
「打ち上げ花火…」の奥菜恵も子供なのに強引な魅力があった。
花とアリスの2人も、そんなひとくせある少女たちだ。
純情で可愛いけれど、嘘もつく。
パンフレットで「この少女世界は男しか描けない」
という言葉があったけれど、これには納得。
キラキラに美化されすぎるのでもなく、
赤裸々すぎるわけでもなく。
この微妙な、可愛さとずるさの間を描けるのは
やはり岩井俊二ならでは、という気がした。

前作「リリィシュシュのすべて」とは
まったく違うテイストだった。
明るくコミカルだけど、テンポは速すぎず心地良い。
相変わらずライティングは素晴らしく美しくて。
終盤、アリスとミヤモトが向き合う公園のシーンとか
アリスのバレエシーンは、ボーっと見とれてしまうほど。

ハナとアリスの2人の仲の良さがあふれ出ていて
それが微笑ましさも切なさもふくらませていた。
ミヤモトもしょぼいけど時々かっこいいんだよなぁ。
ああいう先輩いたら私も好きになってると思う。
落語も好きだし。
随所に出てくるゲスト俳優さんも遊びが利いていた。
大森さん出てるし。なんかドキドキしたわー。

映画単体で観てもおもしろいけど
キットカットのショートフィルムを見てからの方が
よりドキドキできておもしろさが増すと思う。
DVDパックも見ておくとさらに楽しい。

「花とアリス」これはかなり好きかも。
くっそーやられたー、という感じ。




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次に見たいのは「リアリズムの宿」です。
観に行けるかわかんないけど。




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