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2002年06月22日(土)
<6月21日早朝の夢>
私は少女だった。10歳を少し出たくらいかも知れない。 くるくるした長い巻き毛に白いリボンをしている。 ピンクハウスで売っているようなフリルのついた白いドレスを着ていた。 なにかの使命感があって、手に握りしめた小さな箱を届けなければいけないと思っている。宝石箱のような煌びやかな箱だ。 その届ける場所は遠くロシアの先のどこかで、気が付いたら私はロシア人の沢山いる列車に乗っている。2等のコンパートメントらしい。(2等にあるのか?) 終点に着いて、ロシア人がなにか喋りながらみんな列車を降りていく。 わたしはそこから一人でホテルを目指している。 広大な土地だから東洋人に見えるロシア人もいるらしく、まったくわたしを異国人扱いしていない。わたしは言葉がぜんぜん解らないのに。 そして、わたしは目的のホテルに辿り着く。 この屋上に、わたしが届けなければいけない行き先のドアがあるのだ。 屋上に行くエレベーターを待つ。 すると、その私の側にひとりの男性が立った。 「一緒に行きましょう。頼まれたんです」 はるか40�册�上から、その男性は声を掛けてきた。 わたしが見上げると、男性はにやりと笑った。 痩せているけれども妙に安心感のある体躯で、柔らかそうな黒い髪の巻き毛だった。 とてもハンサムで、造作のなにもかもが好みで、瞳は黒く大きく艶やかに濡れていて、黒曜石の瞳と言われるものがほんとうに有るのだと、その時初めて私は知った。 「変装しているの?」 私は訊いた。彼はエレベーターボーイのようなスタイルだった。グリーンのベストがやけに印象的で、私は彼によく似合っていると思っていた。 いいや、と私の問いに男性は答え、変かい? と反対に訊いてきた。 わたしは首を振った。 じゃあ、行こう。そう言って彼はエレベーターに乗り込みドアを閉めた。 そして、ふたりで屋上に着き、彼がすっと手を差し伸べると、そこに切り立った崖が表れた。この服はパスポート、そう彼は言った。その高い崖の上にお城がある。わたしはそこに行かなければならないのだ。 そのお城に行く使命を持った人はわたし一人ではないらしく、大勢の人がそこを目指している。わたしは彼の先導でするすると秘密の道を通って頂上を目指す。 しかし。実は頂上に着いてしまえば終わりなのだった。 いままでそこから帰り着いた人は誰もいない。 きみを無事に帰すように頼まれたんだ、そう男性は言った。 ええ、わたしも帰りたいんです、そう答えた。誰に頼まれたのかは訊かなかった。 お城に無事に辿り着き、わたしはその宝石箱を置くべき所に置いた。 置いた人は順にお祭りのようなものに参加出来る。 たぶん、これが最期の晩餐のようなものなんだろう、とわたしは考えた。 屋台のようなものも出ていて、わたしがそれに熱中している間に、男性は黒いスーツに着替えていた。通常はそこから帰れる訳がないお祭りの屋台に、なぜか土産物は多かった。わたしがバースデーカードをおみやげにしようと選んでいると、男性が「そろそろ行くよ」と小さく声を掛けてきた。はい、とわたしも答えた。彼がわたしの手をとった。 すとん、とどこかに落ちていく気配。 長い長い下に続いている階段があった。 まわりはすべて暗闇で、だがその階段だけは見えるのだった。 ふたりで、そこを駆け下りていく。 半分ほど来た頃だろうか、いきなり頭上から破片が落ちてくる。 城が崖ごと崩壊しているのだ。 なにが合図だったのか、その箱を納めたはずの城は内部から崩壊しているのだ。 暗闇の中を私たちは必死に駆け下りていく。 破片は落ちていくのに、音はしない。静寂。 その中を細い階段をたよりにわたしたちは出口を目指していた。 城からの沈黙の逃避行。 それに耐えきれなくなって走りながらわたしは彼に言った。 <…御手洗さん…怖い…崩れてくよ…> 何故か息は切れておらず、声はエコーが掛かって天井から聞こえるようだった。もしかしたらテレパシーのように脳に直接響いていたのかも知れない。 <怖くないだろう。きみの右手はぼくが握っている> <でも、御手洗さん、怖い> <大丈夫だ。ぼくも勝算があるからやっている。助かるよ> 彼の手がわたしの右手をしっかり掴んだ。 本当は怖くなんかなかった。 彼に握られた右手があれば絶対に大丈夫だと知っていた。 わたしはこんな状況にありながら、彼の気を惹きたかった。 可哀相な子供という完全な保護を望んだのだ。 そうしてわたしは知っている。 この闇を抜けた先には蒼い湖と蒼い空がある。 そこでわたしたちはふたりで舟に乗って現実にと戻り着くのだ。
完。
というか、ここで時計のベルが鳴ったのだった。正確には時計のベルが鳴ってから、脳がこれだけの夢を見せてくれたのだろう。偉いぞ、脳!!! よくぞ、見せてくれた! 御手洗のあの瞳、あの横顔、あの声! わたししか知らない(笑) あの崩れ落ちる闇の中で、彼の真剣な横顔は何故かはっきり見えていた。 彼はしっかり前を見据えていて、その眼差しに有無を言わせない信頼が持てた。 ただ、手さえ離さなければそれだけで望むところに辿り着くのだ。 あまりに感覚的にはっきりしていたので、起きてしばらく、感動していた。 御手洗に恋している。 あの横顔に、あの声に、恋している。
しかしさ。 会社に行ったら、あんまりにも忙しくて、なんだか感動を失っていくよ(笑) 今日一日くらいはシアワセにさせてくれてもいいじゃないか。 この夢を思い出してはひとりで含み笑いをし、変人だなあと思いながら今日一日の仕事を終えた。せっかくだから、今日の記念にここに書いておこう。これこそ、日記にふさわしいんじゃないかな?(笑) あとで、このなかのワンシーンのラフをイラストコーナーから飛べるようにしておこう。いまから、描こうっと。つーても、出来上がるのは明日だろう。それまで覚えているだろうか?はは。………終。
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