2008年09月06日(土) |
人間国宝の富山清翁さん死去 地歌箏曲の第一人者 |
地歌箏曲の第一人者で人間国宝の富山清翁(とみやま・せいおう、本名八田清治〈はった・きよはる〉)さんが3日午前0時7分、心筋梗塞(こう・そく)のため死去した。94歳だった。密葬は近親者のみで行った。本葬は30日午前11時、東京都港区南青山2の33の20の青山葬儀所で。喪主は長男で地歌箏曲演奏家の二代清琴(せいきん)さん。
関西系の地唄・箏曲の第一人者として活躍。古曲の伝承と復元に努め、作曲も数多い。義太夫のさわりを短くまとめた座敷浄瑠璃「繁太夫節」、こっけいな「曲ねずみ」「ねずみの道行」「たぬき」など、春昇譲りの芸を、つやのある渋い美声で歯切れ良く聞かせた。
細君がご子息の清隆さんに地唄を習っていたこともあり、富山親子の会に何度も足を運びしに、 この「曲ねずみ」「ねずみの道行」「たぬき」は誠に楽しく面白い曲なり、悦にひたって弾き語りされていたのを今も瞼に思い出すほどなり。
歯に衣をきせぬ想いでは残念ながら先生の芸の根本は伝承されているとは思えず、哀しきことなり。
灯台元暗しとはこのことなり。 合掌
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