昨日、山本邦山先生(人間国宝)のリサイタルが上智大学の隣りの紀尾井ホールでありました。僕二部からで平井康三郎作曲、原作三島節子の「雷の落ちない村」と酉の「静寂と宴」に出演しました。 途中トークとして最近NHKの邦楽番組で活躍中の山田邦子さんと邦山さんの楽しいトークの掛け合いもありました。彼女の話の展開はさすがプロだなーと感心しました。
感動したのは藤井久仁江先生と藤井昭子さんと邦山さんが演奏した地唄「ゆき」でした。 ・・・聞くも寂しき独り寝の、もしやといっそ堰(せ)きかけて、落つる涙のつららより、辛き命は惜しからねども、恋しき人は罪深く、思わぬ事の悲しさに、捨てた浮き、捨てた浮き世の山かずら・・・
フランスのモリエールの時代と同じように思います。
今の日本人が忘れ去った日本語の美しさを懐かしく思ったのです、僕は神戸生まれなので近所から地唄や浄瑠璃の音が聞こえていました。谷崎潤一郎の世界でもあります。 僕の弟子も来てましたが、どう感じたのでしょうか、意固地になっても日本の古典音楽を伝え研鑚しかくてはいけないなーと感じた一日でした。
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